効率化
Optimization
漁業の
スマート化を推進
現代の漁業の現場には、生産性を高めるため、スマート機器により効率化を図る試みが不可欠。
日東製網はICT・IoTを積極的に現場に導入することによって、従来型の漁業のスマート化を目指しています。
漁業の課題
魚群の来遊を待つ
定置網漁の
潜在的な課題
江戸時代からはじまったとされる定置網漁は、四季折々の沿岸に来遊する水産資源を漁獲する漁法として発展してきました。 しかし、どれだけ技術が向上しても、定置網が魚群の来遊を待つ「受動的な漁業」であることは変わりません。魚がいる場所に自ら船を移動させて漁獲する漁法とは異なり、定置網は特定の場所に設置された網を実際に起こしてみるまで、魚の入網状況はわかりません。
網を起こすと
魚がまったく
いないことも
定置網漁では、毎朝決まった時間に出漁して網を起こしますが、大漁のこともあれば、魚がほとんど入っていないこともあります。その日の水揚量が少なければ、不採算操業になる場合もあります。 また、定置網に入った魚は時間が経つと網から出ていくことも知られています。このため「定置網にいま、どのような魚がどのくらい入っているか、陸上からリアルタイムで確認できないか」という漁業者の声は以前からありました。
私たちの発想
出漁する前に
入網状況を
把握する
現在、ICT・IoTを現場に実装するスマート化の取り組みがあらゆる産業で進められています。定置網漁のお客様との関わりが深い日東製網は、スマート化により定置網漁を効率化する方法を追求しました。 目指したのは、陸上からの魚群の見える化。定置網内に魚群探知機を取り付け、その情報をタブレット端末で受信することによって、漁業者が出漁前に自身の定置網の入網状況を確認でき、それにあわせた対応を可能にすることです。
解決策
スマート漁業を
実現する
ユビキタス魚探
私たちが実現した「ユビキタス魚探」は、定置網の現場にさまざまな効果をもたらしています。例えば、陸上から事前に魚群の入網を確認することで、普段は網起こしをしない時間に出漁して漁獲量をアップすることが可能になりました。 またおおよその水揚量を予想できるため、船に積み込む氷の量などを調整可能に。水揚げが少ないと予測される場合は量を減らしてコストダウンできます。また本システムは今後AIの解析により魚種判別や漁獲量推定の精度を高め、さらなる効率化を目指していきます。
魚探画像の特徴から魚種を判別することが可能。例えば遊泳速度が早いクロマグロの場合、網内を回遊すると断続的な形状が現れます。魚探画像による魚種判別は、定置網の資源管理にも活用されています。
定置網の資源管理に向けた別アプローチとして「ユビキタスカメラ」の開発も進めています。網内の様子を見たいときにスイッチを押せば、カメラが起動し、タブレットで入網状況を映像として確認することも可能です。